工場の異物混入対策の現状
製品への異物混入を防ぐために、工場内の衛生管理の重要性は年々高まってきています。
食品や医薬関連の生産現場はもとより、様々な業界の工場や物流倉庫でも虫や粉じんなどの異物を外部から侵入させないというルールになりつつあります。
そんな状況の中で、従来はパレットに載せられていた原材料などの荷物が入荷した際に、そのまま工場内へと搬入していたものを、外部のパレットを侵入させないために、専用のパレットに積み替える必要が出てきました。また出荷の際にも、工場内専用のパレットから別のパレットへと積み替えなければなりません。
物流や保管の際に使用されるパレットは、構造が複雑で目が届かない部分が多く存在します。そうした部分に汚れや虫が付着していても気づかない可能性が高く、そのまま工場内に入れてしまうと工場汚染につながってしまいます。実際に、パレット内部に産み付けられていた虫の卵が工場内で孵化してしまったという実例もあります。
外部のパレットから工場内専用のパレットへ荷物を積み替えるという作業を人手で行う事は、非常に重労働で作業する方々の健康的・精神的な負担となります。労働人口減少による人手不足もますます進行する現代社会では、このような単純作業に人を割く余裕も無くなってゆくでしょう。
パレットチェンジャー(パレット交換機)とは
パレットに荷物を自動で積む装置で真っ先に思いつくのが『パレタイザー』だと思いますが、パレタイザーの場合は荷物を個口で移動させるため積み替えるのにある程度の時間を必要とします。こうしたパレットから別のパレットへの積み替え作業をより短時間で行える装置が『パレットチェンジャー(パレット交換機)』です。
パレットチェンジャーは、積んである荷物を積み替えるのではなく、パレットから荷物を分離して別のパレットに入れ替えるという作業を自動で行う、その名の通りパレットを交換する装置です。
パレットチェンジャー(パレット交換機)の種類
パレットを自動で入れ替える装置には様々な方法があり、ワーク(荷物)の種類や積み付け方などにより変わってきます。
主なパレットチェンジャーには以下のような方式があります。
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反転タイプ
パレットに積まれた製品を、パレットと一緒にそのまま180度反転(上下をさかさまにする)し、天面になったパレットを入れ替えて、最後にまた反転して元に戻す、という方法です。
この方法は上下をさかさまにすることが不可な製品には使用できません。
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クランプタイプ
パレットに積まれた製品を、左右2方もしくは4方からクランプ(はさんでつかむ)し、パレットをほんの少し下げることによりワークを浮かせて、パレットを差し替えるという方法です。
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スライドタイプ
パレットに積まれた製品を1方向で支えて固定(壁のイメージ)し、元のパレットを押し出して新しいパレットに入れ替える方法です。
比較的に省スペースで安価ですが、製品へのダメージのの可能性が高いタイプです。
自動倉庫での使用
自動倉庫では、高耐久の専用パレットを使用します。こうした自動倉庫用パレットは非常に高価であるため、出庫の際にそのまま外部へパレットを出すという事はまずありません。自動倉庫への荷物の搬入、また自動倉庫からの搬出の際には必ずパレットを入れ替えるという作業が必須となります。
パレットチェンジャーは自動倉庫の入出庫の際にも非常に有用な装置です。前後にパレット搬送のコンベヤを設置することで、入荷から倉庫への入庫、出庫から出荷の自動化が実現します。
パレットチェンジャー(パレット交換機)導入のポイント
パレットチェンジャーはそのワーク形状や重量・積み付け方や、使用するパレットによって主種様々であり、いわば一品一葉の装置です。
完全自動化から半自動、手動まで、製品の仕様や設置スペース、ご予算によって最適な機種を提案をいたします。
包装・梱包ライン自動化.comを運営する株式会社フカサワでは、パレットチェンジャーはもちろん、工場内の包装ライン、梱包ラインの自動化のための各種設備を取り揃えており、お客様の状況に合わせ、最適なレイアウトのご提案も可能です。
包装・梱包工程の自動化を検討してるという方は、当社までお問い合わせください。